「AD(アシスタントディレクター)」は、テレビや映画の制作現場で欠かせない存在です。特に若手スタッフにとっては、ADとして現場経験を積むことがエンタメ業界でのキャリアの一歩を踏み出す重要なチャンスになります。
しかし、AD業務には非常に多くの苦労と学びがある一方で、派遣社員としての働き方には特有の問題点も存在します。そこで、今回は「ADとして働く派遣社員」へのアンケートを実施し、その実際の働き方ややりがい、苦労や課題について先輩社員に話を聞いてきました。
これからADとして働こうと考えている方々や、派遣社員としてテレビ業界に携わろうとしている方々に向けて、現場で活躍する先輩たちの生の声をお届けします。

前職は?
まずは、ADとして働く派遣社員たちの前職について伺いました。業界未経験者も多い中、どのような経歴を持っているのでしょうか?
- 接客業/販売
- 営業職
- 事務職
- 整備士
- カメラマン
- コンサートの電飾
- ITエンジニア
- 式場動画編集
- 内装業
- エステティックサロン
- コンビニバイト
- 旅館アルバイト
- 学生 などなど
エンタメJOBSから派遣しているスタッフは7割以上が未経験から!若い年代の人が多く、経験よりもやる気や熱意が評価される印象です。
ADを目指した理由
先輩社員がADの仕事に惹かれた背景には、さまざまな動機があります。それぞれの理由を探ることで、ADという職業の魅力が見えてきました。

「エンタメ業界に興味がありました。」
「本当に好きなこと、やりたいことは何か?と考えたときに昔から好きなテレビに携わる仕事がしたいと思った。」
「辛いときにエンタメに助けられたので誰かを笑顔にする番組を作りたい!」
「飲食業界で働く中で、もっと創造的な仕事に挑戦したいという気持ちが強くなり決意しました。」
「TVの裏側が知りたい!」
「フリーターでは将来が不安でスキルアップできる環境に置きたかった。」
「人生一度きり!チャレンジ!」
「監督になりたいから」
「派遣ADなら好きな番組につけそう」
「日々ルーティンでやりがいのある仕事がしたいと思いました。」
「番組の最後のテロップに名前を載せて自慢したい」
「なんか楽しそう。なかなかできない経験だから」
理由は人それぞれですが、いずれも「業界への興味」や「スキルアップ」など成長とやりがいを求める気持ちが強く感じられます。また、ADとして働くことで業界内での人脈を築き、将来的にはディレクターやプロデューサーなど、上位職に進むためのステップと捉える人も多いことがわかりました。
ADという職業は、映像制作の現場で必要不可欠な役割を担う仕事であり、多忙で挑戦的な仕事だからこそ、その中で得られる経験や成長は大きいといえるでしょう。
応募から就業までの期間で不安だったこと
転職を決意したものの、実際に就業が決まるまでに感じた不安についてはどうだったのでしょうか?

「休みが無さそうなイメージがあったりもしたので本当にテレビ業界でやっていけるのか不安だった」
「エージェントの人にどこまでサポートしてもらえるのか」
「新しい職場でやっていけるのか?」
「未経験だったので、何も分からず業務内容から何から不安でした」
「仕事量と給料が見合ってるかどうか」
「決まるかどうか、続くかどうか、受かるかどうか」
「業界についてよくわからなかったこと」
「休みなさそう。残業やばそう」
「未経験職種な事と高卒ということ」
「派遣先が決まるか不安でした」
「短期間でスムーズに進めて頂いたので特になかったです。」
未知の業界に未経験で飛び込むのは不安が多いです。特にエンタメ業界は労働環境が整っていないイメージが強く、やっていけるのか、続けられるのか、といった意見が見られました。
就業先の満足度理由
実際にADとして働く派遣社員たちは、現在の就業先に満足しているのでしょうか?その理由についても聞いてみました。

「思ったより休みがしっかりある」
「不必要な残業などなく、週休2日で休めるため。ただ休みたいタイミングで有給を使うことができない点は少し不満です。」
「やりたいことをやらせていただけています!」
「ゴールデン番組に携わられているから」
「仕事を教える体制が整ってるので、とてもやりやすいです」
「研修制度がしっかりしていた」
「私用などで休みたい日に休める」
「人間関係であんまり悩みがない」
「尊敬できる上司、先輩方々と働けて充実してます」
「業務内容などは沢山勉強になったがとにかく人間関係があまり良くない印象」
「 みんな優しく楽しく働けてます。とてもいい方々に恵まれました。この業界だからしょうがないですが、忙しすぎるという点で-20しました。」
「チームで助け合いがしっかりしている所」
「特番など大きい番組が経験できたり、生放送などに携わることができた」
「近い年代が多く、働きやすい」
「他の番組も掛け持ちしている方なので、やることが多い」
「当初希望していたジャンルの番組ではなかったが、未経験でもしっかり教えてくれる環境だから。」
「新しいことを学ぶのは楽しいですが、しっかり覚える前に次々と新しい事を覚えないといけないので大変です、でも優しい方が多いので皆さんの人柄等には満足してます!」
番組や現場によって意見は様々ではありますが、想像していたよりも教育環境が整っていることや、休みや残業が少ないという声もありました。年々制作現場も働きやすい環境になっていっているようです。
現場が合わない、人間関係が良くない、という場合に就業先を変えることができるのは、派遣社員の大きなメリットです。
就業先で得た経験
ADならではの経験や学びについても触れてもらいました。

「スポーツ選手へのインタビューや大会の取材やロケの経験」
「イレギュラーが起きた際に自分で考えて臨機応変に対応する力は身につきました!」
「映像の編集、業務用カメラでの撮影」
「報道なので絶対普段調べないようなニュースなどのこともよく知れた」
「コミュニケーションをとることの大切さを学んだ」
「リードやQカット、再撮などを作る機会が週に一回あるので、プレミアプロを使う経験ができる。」
「収録の準備、ロケ仕込み、機材の設定など 全てが学びになりますが、特に収録現場に行かせていただいた事が良い経験になりました」
「カメラの知識や、編集方法、またバラエティ番組の制作過程など学べてよかった!」
「サブ出しする番組、ロケ番組、生放送、ドキュメンタリーなど様々なスタイルの番組に関わらせてくれたことは貴重な経験になってます。」
「社会経験や対応力など」
「番組制作だけでなく中継にも携われたことが良い経験でした。」
「業界用語」
「スケジュール作成や収録に向けての楽屋の確保、マネージャーさんとのやりとりなどタレント周りの仕事を覚えることができました。」
次回記事「先輩社員に聞きました!(ADとして働く派遣社員にアンケート)その2」では次の内容についてヒアリングしています。
- 就業前とのギャップ(良かった点、悪かった点)
- これから身に着けたいスキル
- 今後のキャリアプランや目指しているもの
- キャリアアドバイザーの満足度理由